公演日誌
「1年半」
音響効果班、振付班のあかやです。
初めて公演日誌を書いた夏公演から早くも1年半が経ちました。去年の夏が昨日みたいにも感じられるし、遠い昔のようでもあります。入団から7公演連続で参加するなんて当時は思っていなかったので、なんだか不思議な気持ちです。
私は2回生で入団をしたのですが、元々演劇というよりは音響機材を触りたいと思ってサークルを探していました。機材触れそうな場所は他にもあるけど、演技を人生で一度やってみたいとずっと思っていたこと、一年月光斜の舞台を見ていて私も関わりたいという気持ちが大きくなったことから飛び込んだのが月光斜でした。
ありがたいことに音響効果班に配属され、去年の夏公演で役をいただき、また7公演中4公演で何かしらの音響オペレーターをさせていただきました。
それもあって当初の希望は結構満たされ、概ね心置きなく引退できると思いきや今度は他の音響効果の仕事や振付についてももっといろんなことできるようになりたいなー、と欲が出ていて困っています。演技も全然向いてないけど、やりたい気持ちは無くならないし楽しいんですよね。
私は自己表現が苦手なので、月光斜の活動では今までの人生で避けていた苦手なこともあったりして、うまくいかず悔しい思いをしたことも多かったです。でもその分少しだけ強く成長できたし、それまでとは違う自分に近づけたのかなと思います。いろんな方と活動しているうちに、前向きになりたいと思えました。内に篭りがちで素直でない私と一緒にいてくれた先輩方や同期、後輩達、すべての方に感謝しています。
話は変わるのですが、私は開演時間になって公演が始まる瞬間が好きです。
開演時間になるとそれまで流れていた曲から開演への切り替わりとなる曲が流れます。照明が落ちるのに合わせて少しずつその音を上げていく時、後方から見える舞台がとても綺麗なんです。その後完全に暗転した中音が響いて一瞬静かになって、これから公演が始まるという緊張感、空気もとても好きでした。
音響オペレーターをやっていた時はガチガチに緊張して集中する瞬間でもあるのですが、私はこの公演のために頑張っていたんだな、やっぱり舞台が好きだなと改めて感じていました。
最近、自分にとって月光斜ってなんだったのだろうと考えることがあります。
まだ考えているところでこれがその答えではないけれど、月光斜は日常と地続きの非日常で、私にとってきらきらした綺麗な宝石箱みたいだったなと感じます。
朝は眠くて、授業はわからなくて、荷物が重くて、通学の坂はしんどくて、そんなぼんやりした毎日の繰り返しから、それ自体は変わらなくてもそこに豊かな、生きていると感じられる時間を与えてくれました。
過ぎ去ってしまった時間は戻らないけれど、温かい思い出だけを大切に抱えていたいと思うそんな場所でした。みんな元気で幸せでいてほしいです。
まだ公演は続いているのであと少しの間、振り返った時後悔のないよう自分にできることをやっていきたいです。
いちスタッフの身ではありますが、冬公演が見に来てくださる方々にとっても、少しでも楽しくて、1日を豊かにするような、そんな時間であったらいいな、そんな記憶になったらいいなと思っています。