公演日誌

2024-11-05 12:00:00

『月を悉す』

皆さま、おはようございます、こんにちは、こんばんは。

2024年度卒業公演『月を悉す』にて脚本・演出、そして明智光秀役を務めました水無瀬融です。

 

終幕から数日経ち、舞台もばらし終えて、徐々に終わったという実感が湧き上がってくるのを感じて指を動かしている次第です。

 

皆さま、『月を悉す』いかがでしたか。

 

これを読んでくださっている方は、観てくださった方が多いのかなと思います。少しでも皆様の心に刻まれたものがあれば幸いです。

 

さて、ここではちょっとした制作秘話と言いますか、裏話をしようかなと思います。

 

私がこの作品を考え始めたのは今年の3月ごろです。きっかけは昨年度の冬公演『ドッペル・クラウンとおもちゃ箱』終幕後、知人との会話でした。この公演で初めて演出を務めたのですが、お見送り時に「脚本もすごいですね…!水無瀬さんが書かれたんですよね?」と言われたのです。「あ、いや、脚本は違くて…」これがとにかく悔しかった。ーじゃあ俺がやるーと一念発起した次第です。こうして、これまでの人生で脚本はもちろん、創作物なるものを生み出したこともなかった私が脚本の執筆に着手することになります。実際、冬公演を作り上げていく中で、自分で描けたらもっと自由で、楽しくて、良いものができるだろうなと実感していたのも大きかったです。

このような流れで、私の就職活動が本格化した3月の傍ら、息抜きにストーリーを考え始めます。そして、就活を終えたのち、6月後半と7月を使って一気に執筆し、書き上げました。

 

 

もうひとつ、『月を悉す』にかけた私の個人的裏テーマを綴らせていただきます。(え、なんで?となるような唐突さですがお付き合いください。)

個人的裏テーマ。それは“演劇の力を少しでも多くの人に伝える“です。

昨今、映画が作品の主力媒体となり、舞台を観たことがあるひと、舞台が好きなひとが限りなく少なくなっていると言えます。実際、私も月光斜に入った3年前まで舞台を観たことはありませんでした。今となって改めて考えると恐ろしいことですね。(笑)

演劇なんて…と思っていた私が、こうして沼にハマっているわけですが、だからこそ演劇の魅力、演劇である意義についてたくさん考えてきました。

その結果、今の私が考える演劇のいちばんの魅力は“生きるエネルギーを伝える“ことにあるのかな、なんて思っています。演劇の最大の特徴は生であることです。生だからこそ、どれだけの人数が、どれだけの想いで、どれだけの時間と労力をかけて作品を作り上げたのか多少なりとも推し量ることができます。そして生だからこそ、役者や舞台効果等の演出が生み出すエネルギーを感じることができます。作品を通して人のエネルギーを感じることができる、これが演劇の魅力かななんて思うんです。私自身、観劇後は自分も頑張ろう、明日も頑張ろうと明日への活力をもらえます。これは演劇ならではだと思います。

 

月光斜のお客様のメイン層は大学生や地域の方など演劇にはあまり触れてこなかった方達です。(もちろん、観劇経験豊富なお客様もたくさんいらっしゃいますし、大歓迎です!)

ここで良い観劇体験ができれば、今後他の舞台にも足を運ぶことがあるかもしれない、あわよくば、演劇好きになるかもしれない。しがないいち学生劇団員ではありますが、だからこそできることがあると思います。私がハマった演劇を、その魅力をその力を少しでも多くの人に伝えたい、その結果がこの『月を悉す』です。この作品を通して少しでも演劇の力が皆さまにとどいいたらそれほど嬉しいことはありません。

 

 

さて、私もついに引退です。同時に芝居からも身を引きます。月光斜に入って演劇を始め、のめり込んできた3年間は私にとってピカピカそのものです。これもひとえに、共に走ってきた月光斜の仲間、そして観にきてくださった皆さまのおかげです。

この場を借りて、この3年間で演劇を通して関わった全ての皆さまに感謝を伝えさせていただきます。

 

本当に、本当にありがとうございました。

 

 

 

月光斜が、そして皆さまの月が満ちることを願って。

 

 

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                                    水無瀬融

2024-10-24 12:00:00

「期待に応えたい」

ただそれだけですね、私の原動力は。

今回主役という大役を頂いたわけなんですが、私は不特定多数の人からチヤホヤされたいとかアンケート用紙に書かれたいとかはほとんど無いんですよね。

そこじゃなくて、私は身近にいる人強いては好きでいてくれる人たちの期待に応えれるような、そんなお芝居がしたいと思いながら走っていました。

この月光斜では私を支えてくれたり、受け入れてくれた人たちがいます。最後にその御恩に報いることができるよう、役者として最後くらい期待に応えれるお芝居をすることだと思っております。がんばるね。

でもやっぱり最後くらい楽しみます。それも含めての恩返しだと思ってます。だって、楽しんでる私を見たいでしょ???イキイキしてる私を見たいでしょ???

私が楽しむことでこの作品のクオリティが一気に上がるものだとなんとなく確信しています。ですので、最後まで楽しむぞー!!!

おー!!!!

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2024-10-21 12:00:00

管制塔

こんにちは!今公演の演出補助を務めております、夏流日です🙇

 

 もう夏は終わりましたね。昼間の日差しはまだ強いですが、薄着で外に出ると、稽古が終わる夜には涼しくて、体温調節が難しい季節になってきました。

そんな稽古漬けの日々も終わり、いよいよ本番に向けてお客様をお迎えする準備を進める段階に入りました。飛行機で例えるなら、今は離陸のために助走をつけているところ。一番ドキドキする瞬間です。お客様と役者、スタッフが一体となって飛び立ち、無事に着陸できるよう、この一週間で最後の仕上げに全力を注いでまいります!

 

 皆様もどうか体調に気をつけてお過ごしください。また、劇場内は体温調節しやすい服装でいらっしゃると、作品をより快適に楽しんでいただけると思います。それでは、劇場でお待ちしております⭐

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2024-10-17 12:00:00

最後の瞬間まで

みなさんこんにちは、杏月優香です。
公演日誌を書くのはこれで6回目になります。多分最多じゃないでしょうか。文章書くの苦手なんですけどね。
私の拙い文章に毎度お付き合いいただきありがとうございました。これが最後の公演日誌になります。

 

卒業公演。

冬公演の時はなかなか引退の実感がわきませんでしたが、全ての物事に「最後」が付く今回は、嫌と言うほど「卒団」の意識があります。
最後はやりたいこと、やり残したこと全部やって卒団する!と意気込んで迎えた今公演、気づけばもう通し週も折り返しを過ぎ、あと3日で稽古も終わり。
もうすぐ「最後」の本番週、小屋入り期間です。

 

今公演『月を悉す』は、間違いなく私が経験した公演の中で一番の熱量の公演です。
演出が公演始動時に掲げた「まだ見たことのない景色を全員で見よう」のスローガンのもと、みんなで準備を進めています。

 

我々53期は、コロナ禍での入団でした。
始めての舞台は、カメラとマイクだけの、誰もいない客席に向かって演技をしていました。

1年後、一般来場が可能となり、初めてお客様の前で演技をして、拍手をいただくことができました。
本来あった演劇の姿を見ることができたような気がしました。

最後は満杯の小ホールで、たくさんのお客様に熱を、感動を、届ける。

みんなそれぞれの想いを胸に、今公演を走っています。

 

10月25日、26日、27日。全5ステージ。
皆さまの心に残る何かがありますように。ご来場を心よりお待ちしております。

 

 

この3年半、いろんなことがあって、本当に本当に濃い時間を過ごせました。

1回生の頃の私へ、迷わず月光斜に飛び込んでくれてありがとう。
ここは、私にとって大好きな、かけがえのない場所になりました。

月光斜団員としての期間は、あとほんの少し。

最後の1分、1秒まで、この時間を嚙み締めて卒団したいと思います。

 

 

沢山の思い出をありがとう。さようなら。

これからの月光斜、そして関わったすべての人に、幸多からんことを。

 

杏月優香

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2024-10-14 19:00:00

月光矢の如し

どうもこんにちは。

稽古以外は大体睡眠、今公演では高山右近を務めます、華那多です。# かなたとよみます

どうぞ、よろしくお願いします。

 

卒業公演ですね。

今公演をもって日誌を書くのも4回目になりますが、いつも以上に何を書いたらいいのだろうか、と考えあぐねています。

過去の自分は何を書いていたかな、と読み返してみたのですが、去年の冬に、「大切なものはいつも失ってから気づく」的なことを書いてました。かっこつけてますね。

でも本当にその通りで、私はいつも実感が遅れてやってくるタイプです。特に月光斜での活動は、忙殺されて気付けば終わっていた、なんてことがよくあります。

なので今回は、今公演こそは、後悔のないように一日いちにちを大切に噛み締めよう。そんなことを公演のはじめに決意しました。

 

結果。

気づいたら今日。

 

公演期間は残り2週間を切り、通し稽古が連日行われ、役者は最後の追い込みに入り、宣美も最後の繁忙期に入り、映像も──。

はい。お察しのとおりです。公演を全力で駆け抜けながら噛み締めるなんて器用な芸当は、私にはできませんでした。なんとも不甲斐ない。

 

でも、前回の日誌のときと異なるのは、

『卒団する実感がある』

ということです。

会議や稽古前のトレーニング、発声、役者同士のすり合わせ、なんならみんなでご飯を食べて他愛ない雑談をしている時にさえ、ふと

「あぁ、この時間はあと少しで終わってしまうんだな」よぎることがあります。

その度にとてつもなく寂しくなり、涙が出そうになります。でも、それはとても幸せなことだと、そう思います。

 

これまでの人生で、ここまで想いをかけたことがあったでしょうか?これから先、ここまで想いをかけられるものに出逢えるでしょうか?

 

そんなことを考えてしまうくらい、月光斜は私の全てです。全て、でした。

 

 

先輩。

あなた達に憧れて、追いかけて始まった月光斜人生。よく躓く私に、何度も手を差し伸べてくれてありがとうございました。

 

後輩。

頼りない先輩でごめんね。隣で一緒に笑ってくれて、背中を押してくれて、ありがとう。

 

同期。

ここまで一緒に走ってくれて、ありがとう。

歩幅はバラバラだったかもしれないけど、ここぞという時に揃う足並みが、頼もしかった。

あなた達の同期でいられたことを心から誇りに思います。

 

お客様。

数ある劇団の中から『劇団月光斜』を見つけてくださり、ありがとうございます。私が去った後も、月光斜は続いていきます。願わくば、これからの月光斜もどうぞよろしくお願いします。

そして10月25日、26日、27日。

120分という短い時間ですが、皆さまと同じ時間を過ごせたらと思っています。

小ホールで、お待ちしています。

 

4年。

これからも続く長い人生の中で、たったの4年。されど、4年。大切な大切な時間でした。

 

居場所をくれてありがとう。

"華那多"でいさせてくれてありがとう。

さようなら。

 

華那多

 

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