公演日誌

2025-10-08 12:00:00

「音と印象」

こんにちは。しきです。自分について話すことはあまりないので、音について思ったことを書きたいと思います。

引退してから様々な作品を見る中で音響効果のできること、やるべきこと、月光斜の音響について考えることが多くなりました。

以前とっていた音楽の授業で、「悲しい音楽の何が悲しいのか」という話を聞いたことがあります。それによると、悲しいと感じられるような音の特徴や並び方があり、それによって私たちは悲しさを知覚するという説があるそうです。しかし、多くの人にとって楽しい特徴を持つ音楽でもたまたま悲しみを感じていた時に聞いた音楽ならその人にとっては悲しい音楽になり、悲しいと感じる特徴を持たなくても悲しいとされる行事に使われる音楽はその文化圏内では悲しみを想起させることもあります。不思議ですよね。

音響効果は、そうした音の特徴を活かして補助をする仕事だと思います。

音楽や効果音を流すことで場面の雰囲気や登場人物の感情を補える一方、あえて音を流さないことで役者の演技から観客自身が想像して感じる余白が生まれる場合もあります。

    月光斜はエンタメ性の高い作品を上演する機会が多いこともあってBGMや効果音を比較的たくさん使う傾向にあります。私はそれが好きなのですが、だからこそ月光斜で音響を考えていく上で、どのように音を流していくことが作品に合っているのか悩むこともあります。今回の公演でも、音響効果班のメンバーたちと一緒に音を通して場面の雰囲気を補い、作品の世界を自然に感じてもらえるよう考えてきました。

     私は今回音響オペレーターをさせていただいています。公演で流す音や機材を一緒に準備してきた音響効果班はもちろんですが、公演を作るみんなの伝えたいものが伝わるよう、最後まで仕事を頑張っていきます。OPダンスの時だけは多分にこにこしてしまう気がしますが許してください。

 

X投稿の画像は上賀茂神社の夏限定風鈴です。風が吹くたびに静寂から一気に風鈴の音が響き渡って、他の場所で聴くより清らかで神聖な感じがしました。

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