公演日誌

2025-10-05 20:00:00

さようなら

一島頃莉

 皆さま、お久しぶりです、頃莉です。今公演では一島頃莉という芸名にしております。

 久々、といっても前回公演『袖に余る想い』の脚本を書いたので僕的にはそこまで久々というような感覚ではありません。しかし頭はすっかり月光斜から離れてしまっているようで、会議のタイミングや衣装作成の感覚、夜中まで学校にいる違和感など、「あ、忘れてる」と思うことがとても多くありました。あれほど生活の一部だったのに、半年ほど離れただけですっぽりと抜け落ちてしまうとは。まあ、僕の頭はその程度ということなのでしょう。

 さて、今公演を持ちまして僕は卒業ということになるのですが、実際そのような実感があるのかと言われるとそうではありません。というのも大学院に進学するので、卒業です!と言われても、「まあ、まだいるんですけれども……」と思ってしまいうまく感情が出てきません。少なくとも5年以上はまだ大学にいるため、今後の月光斜を見守る長老枠にいようと考えています。丁度いい具合に脚本を何度か書いているので、アーカイブ見て……といえば多少は覚えてもらえるかもしれません。

 思い返してみると、僕はこの団体ではなにもできていないような気がしてなりません。衣装をたくさん作ったり、脚本を三本担当したりしましたが、どうも他の団員たちがよっぽどすごいことをしていると思えてなりません。ただ、周りの人たちは僕に向かって、「ようやっとる(意訳)」と言ってくれます。価値は他人が決めてくれるものなので、他の人がすごいと言ってくれる限り、僕はどこかで「すごい人」でいられるのかな、と思っております。

 この大学生活、本当に好きな事だけをさせていただきました。好きに脚本を書き、小説を書き、好きな古典文学を読んで、好きなように研究をする。僕は今後も大学院で好きな研究をして生きていくのですが、何の柵もなく楽しめたのは、この月光斜が最後だろう思っています。この記憶を胸に、明日からも精一杯生きていきます。またどこかで、会えたら会いましょう。

25卒公演日誌 レンさん.jpg

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