公演日誌
最後に、こんなやつ
こんにちは。
劇団月光斜所属、今公演は脚本・星・演出を務めさせていただきました右に同じです。
公演が無事終了しまして、物語はきれいなおしまいを迎えたわけですが、もう少しだけ、お付き合いしていただければと思います。
演劇をはじめて、もう2年以上が立ちました。
まだまだおしゃぶりを付けているようなものですが、10代最後~20代まで続けた趣味としては(というか、私が続けている趣味の中では)、かなり長いほうではないかなと思います。
思い返せば、演劇と出会ったのは『パコと魔法の絵本』という映画のなかの劇中劇でした。「劇で人を救えるんだ」と感心した記憶があります。
そこから季節はめぐり、知識と教養を気持ちばかり手に入れて大学というものに通いだしまして、このサークルと出会うこととなりました。
といっても。
最初に入った時は「とりあえず『友達』というやつを作らなければ、大学を辞めてしまいそうだ」くらいのもので。
まさかこんなことになっているとは思ってもいませんでした。
1回生の私に言ってやりたいですね。「2年後に演出っていうのやるから今のうちから勉強しとくんだよ」くらいは。せめて「早寝早起きだけでも身に着けて」だけは。
今更なので、目覚ましを今日も5個セットしているわけです。
よこみちにそれました。今公演の話でもしましょうか。
一年前の冬、引退というものを考えてみたときに「おしまいと始まりのある物語を書いてみよう」と思いました。
冬はおしまいと始まりの季節ですから、センチメンタルな気分になっていたんでしょう。
そして、今までの自分を思い返してみました。
私は2年前と比べても、相も変わらず無知で無力なただの学生です。重ねたのは年齢くらいです。
でも、「どれだけ周囲に支えられてきたのか」ということに気付くことができました。
ここは大きな成長だなと感じています。
そしてここに気付いたからこそ、副座長として公演外でも様々動いてみて、挑戦と失敗と失敗を重ねて、成功することができたのかなと思います。
こうして後輩に囲まれて引退できていますから、成功といっていいでしょう。大成功です。
失敗した分、自前の豆腐メンタルが良い感じに絹ごしになってしまいましたが、これもまた一興。豆腐サラダにします。
そうして豆腐サラダをつくった私は、気付く前と後で全くと言っていいほど違う人間になったのかもしれないと思いました。
「右ちゃん」とか呼ばれていたのが、いつの間にか「右様」だとか「右さん」に変わってしまいましたし。
なので、ベルの呼ばれ方には気を配りました。温泉で働いている女の子と龍のオハナシよろしく、本当の名前というのは大切ですからね。
あと、そうそう。大事な経験がありました。
私がほんとうに楽しく過ごした日々がありました。遠い昔のことです。
それが、どうやら周囲はそうじゃなかったということが、執筆当時になって分かりました。
それはもう、人生において第三位くらいの衝撃です。高校の帰り道に狐と追いかけっこしたときと、高校に孔雀が迷い込んできたとき以来です。
豆腐サラダにあうドレッシングを探していた私は、まさにこれだと思いました。
そうして、あれよあれよとアーモンドフィッシュとか豆苗をのせてみて、この脚本は出来上がりました。
美味しかったでしょうか。
お口に合っていれば幸いです。
少し振り返りましょう。
【豆腐サラダの作り方】
①絹ごし豆腐一丁を用意する
②お好みのドレッシングをかけます
③アーモンドフィッシュと豆苗をかけます
④完成です。
これ以外と美味しいので、是非お試しください。ドレッシングは辛いものがおすすめです。
さて、演出の公演後記にしては、どうしようもない内容でしたが、いかがでしたでしょうか。
これからの月光斜も、その分野において右に出る者がいない人たちが、それぞれの分野で全力を尽くしながら同じ方向を向いて努力する。
そんな素晴らしい団体です。
とても面白い演劇を、エンタメを、私たちに届けてくれます。
おたのしみに。
それでは。左様なら。
おしまい。
