公演日誌
刹那
どうも、710です。小ホールに悲鳴が鳴り響く日々が続き、本番週って感じがしますね。
なんだか去年の公演日誌にもそんな感じのことを書いた気がします。
さて、最後の公演日誌、せっかくなので月光斜への想いでも書いてみましょうかね。
ここまで全ての公演に参加してきた私ですが、実は2公演目ぐらいには辞めようかなって思ってました。辛いことがあったとかではなくて、ただ、演劇自体から身を引こうと思ってました。
私の演技を好きだと言ってくれる人がいます。でも、やっぱり舞台上の自分と普段の自分って違うじゃないですか。みんな、役者としての710は好きだけど、普段の私のことなんて好きな奴おらんやろって。
私は“私”としてではなく、“710”としてじゃないと好かれないとか、そんなこと思ってました。
でも、月光斜での生活は“私”を許容してくれるんだなぁって思えて。
長い時間をかけて、やっと710は私になれた気がします。舞台上で全てを隠す必要は無くなりました。私は素直に、その場で感じたことを皆に伝えることができそうです。
私はあのホールいっぱいに、みんなへの愛を伝えるよ。それは、月光斜はもちろん、観に来てくださったお客様、今までの私達を見ててくれた人、全員に伝えます。
だから、どうか私からの「ありがとう」を受け取って欲しい。
長いようで短かった月光斜生活。
これからの長い人生で、私は何度思い出すのでしょう。もしかしたら、案外すぐに忘れるかも。きっと、みんなも思い出しては忘れていく。
時は諸行無常、人生は夢幻泡影。
だからこそ、今生きてるこの一瞬一瞬が、その人にとっての宝物になればと思っています。
今回の公演も、観た方の心に残るものになれば幸いです。
では、劇場でお会いできるのをお待ちしております。
710
写真は愛すべき照明班💡