公演日誌
さようならしよう
お久しぶりですね、そしていったんさようならします。
疾風舞★Ⅳ(サイクロンマスター・ザ・フォース)です。
4代目になりますこの芸名、後継がいまだに見つかっていないんですよね。でもまぁ、そろそろ語呂が悪くなるので潮時かなと思ったり思わなかったり……5代目いないかなぁ。
さぁさぁ本題に入っていくんですが、先に言っておきます、くさいこと書きます。引退だし、何してもいいじゃろ。文体なんて気にしないで、書きたいことをひたすら書こうじゃないか。とはいっても書けることそんなにないんだけどもね。
さて、今公演では宣伝美術部専属で参加しているわけですけども、結構私はこだわりが強い方で、それを口に出すかは置いといて、しょっちゅうデザインについて思考をめぐらしております。しかも頑固で負けず嫌いだから、デザインで他の人の案が採用されると、ツンツンしちゃいますし良さをすぐ認められないんですよね。精神年齢低いなぁ。もちろん、いつも結果的には良いビラ、フライヤーとか出来上がってて「え、いいじゃん」って思ってます。でも、このプライドというかこだわりは失いたくないし失ってはいけないものだと思います。自分が満足いくものを作ってこそ自信をもって世に出せるようになるし、それで切磋琢磨できるからです。これからもずっと、自分がしたいこと、できることを最大限発揮していきたいと思います。
そして3回生の冬公演、ついにきた引退公演です。2022年度夏公演『グレートマイファミリー!』から参加して、1公演だけ休んだので今回で10公演目になるのかな。長いようで早かった。そのうち4回は役者もさせていただいて、ずいぶん楽しませていただきました。私がこの団体を去る日が近いことはかなり実感しています。というのもなんだろ、結構最初のころから最大で何公演参加できるのかを考えていたし、公演を休んだのもちょうど折り返しってことで一旦初心に帰るために休んだので、公演のたびに「終わり」を実感しながら活動をしていました。「終わり」を意識するようになったのは高校3年生、ちょうどコロナが流行しインターハイなど多くの大会が無くなった経験があるからです。日常が当たり前に続くと思っていたなかで、あの時は急に「終わり」が来ました。そしてその「終わり」を受け入れることが出来なくて、ずっと引きずってしまったのです。一年の浪人を経て立命館大学に入学し、ひょんなことからこの団体に入団しましたが、もう二度とあんな終わり方をしたくなくて、限られた公演のなかで自分が何を出来るのか模索してきたつもりです。もちろん適度に?さぼってきたし、ずっと気張っているわけでもないんですけど、でも「笑って終わる」という目標に向かって今は走っています。
でもやっぱり「終わり」は苦手です。時がたてば忘れてしまうことも多くなって、忽ちたくさんのことが思い出となってしまうのでしょう。稽古場で笑いあう日々も、終電で星が綺麗な帰り道も、今こうやって日誌を書いている時間も。10公演目となった今、参加してきた公演も美しき思い出となってしまいました。
時間が遡れたらいいのにね。
最後に笑って去るために、一度さようならします。
また会いましょう。
『月を悉す』
皆さま、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
2024年度卒業公演『月を悉す』にて脚本・演出、そして明智光秀役を務めました水無瀬融です。
終幕から数日経ち、舞台もばらし終えて、徐々に終わったという実感が湧き上がってくるのを感じて指を動かしている次第です。
皆さま、『月を悉す』いかがでしたか。
これを読んでくださっている方は、観てくださった方が多いのかなと思います。少しでも皆様の心に刻まれたものがあれば幸いです。
さて、ここではちょっとした制作秘話と言いますか、裏話をしようかなと思います。
私がこの作品を考え始めたのは今年の3月ごろです。きっかけは昨年度の冬公演『ドッペル・クラウンとおもちゃ箱』終幕後、知人との会話でした。この公演で初めて演出を務めたのですが、お見送り時に「脚本もすごいですね…!水無瀬さんが書かれたんですよね?」と言われたのです。「あ、いや、脚本は違くて…」これがとにかく悔しかった。ーじゃあ俺がやるーと一念発起した次第です。こうして、これまでの人生で脚本はもちろん、創作物なるものを生み出したこともなかった私が脚本の執筆に着手することになります。実際、冬公演を作り上げていく中で、自分で描けたらもっと自由で、楽しくて、良いものができるだろうなと実感していたのも大きかったです。
このような流れで、私の就職活動が本格化した3月の傍ら、息抜きにストーリーを考え始めます。そして、就活を終えたのち、6月後半と7月を使って一気に執筆し、書き上げました。
もうひとつ、『月を悉す』にかけた私の個人的裏テーマを綴らせていただきます。(え、なんで?となるような唐突さですがお付き合いください。)
個人的裏テーマ。それは“演劇の力を少しでも多くの人に伝える“です。
昨今、映画が作品の主力媒体となり、舞台を観たことがあるひと、舞台が好きなひとが限りなく少なくなっていると言えます。実際、私も月光斜に入った3年前まで舞台を観たことはありませんでした。今となって改めて考えると恐ろしいことですね。(笑)
演劇なんて…と思っていた私が、こうして沼にハマっているわけですが、だからこそ演劇の魅力、演劇である意義についてたくさん考えてきました。
その結果、今の私が考える演劇のいちばんの魅力は“生きるエネルギーを伝える“ことにあるのかな、なんて思っています。演劇の最大の特徴は生であることです。生だからこそ、どれだけの人数が、どれだけの想いで、どれだけの時間と労力をかけて作品を作り上げたのか多少なりとも推し量ることができます。そして生だからこそ、役者や舞台効果等の演出が生み出すエネルギーを感じることができます。作品を通して人のエネルギーを感じることができる、これが演劇の魅力かななんて思うんです。私自身、観劇後は自分も頑張ろう、明日も頑張ろうと明日への活力をもらえます。これは演劇ならではだと思います。
月光斜のお客様のメイン層は大学生や地域の方など演劇にはあまり触れてこなかった方達です。(もちろん、観劇経験豊富なお客様もたくさんいらっしゃいますし、大歓迎です!)
ここで良い観劇体験ができれば、今後他の舞台にも足を運ぶことがあるかもしれない、あわよくば、演劇好きになるかもしれない。しがないいち学生劇団員ではありますが、だからこそできることがあると思います。私がハマった演劇を、その魅力をその力を少しでも多くの人に伝えたい、その結果がこの『月を悉す』です。この作品を通して少しでも演劇の力が皆さまにとどいいたらそれほど嬉しいことはありません。
さて、私もついに引退です。同時に芝居からも身を引きます。月光斜に入って演劇を始め、のめり込んできた3年間は私にとってピカピカそのものです。これもひとえに、共に走ってきた月光斜の仲間、そして観にきてくださった皆さまのおかげです。
この場を借りて、この3年間で演劇を通して関わった全ての皆さまに感謝を伝えさせていただきます。
本当に、本当にありがとうございました。
月光斜が、そして皆さまの月が満ちることを願って。
水無瀬融
「期待に応えたい」
ただそれだけですね、私の原動力は。
今回主役という大役を頂いたわけなんですが、私は不特定多数の人からチヤホヤされたいとかアンケート用紙に書かれたいとかはほとんど無いんですよね。
そこじゃなくて、私は身近にいる人強いては好きでいてくれる人たちの期待に応えれるような、そんなお芝居がしたいと思いながら走っていました。
この月光斜では私を支えてくれたり、受け入れてくれた人たちがいます。最後にその御恩に報いることができるよう、役者として最後くらい期待に応えれるお芝居をすることだと思っております。がんばるね。
でもやっぱり最後くらい楽しみます。それも含めての恩返しだと思ってます。だって、楽しんでる私を見たいでしょ???イキイキしてる私を見たいでしょ???
私が楽しむことでこの作品のクオリティが一気に上がるものだとなんとなく確信しています。ですので、最後まで楽しむぞー!!!
おー!!!!
管制塔
こんにちは!今公演の演出補助を務めております、夏流日です🙇
もう夏は終わりましたね。昼間の日差しはまだ強いですが、薄着で外に出ると、稽古が終わる夜には涼しくて、体温調節が難しい季節になってきました。
そんな稽古漬けの日々も終わり、いよいよ本番に向けてお客様をお迎えする準備を進める段階に入りました。飛行機で例えるなら、今は離陸のために助走をつけているところ。一番ドキドキする瞬間です。お客様と役者、スタッフが一体となって飛び立ち、無事に着陸できるよう、この一週間で最後の仕上げに全力を注いでまいります!
皆様もどうか体調に気をつけてお過ごしください。また、劇場内は体温調節しやすい服装でいらっしゃると、作品をより快適に楽しんでいただけると思います。それでは、劇場でお待ちしております⭐
最後の瞬間まで
みなさんこんにちは、杏月優香です。
公演日誌を書くのはこれで6回目になります。多分最多じゃないでしょうか。文章書くの苦手なんですけどね。
私の拙い文章に毎度お付き合いいただきありがとうございました。これが最後の公演日誌になります。
卒業公演。
冬公演の時はなかなか引退の実感がわきませんでしたが、全ての物事に「最後」が付く今回は、嫌と言うほど「卒団」の意識があります。
最後はやりたいこと、やり残したこと全部やって卒団する!と意気込んで迎えた今公演、気づけばもう通し週も折り返しを過ぎ、あと3日で稽古も終わり。
もうすぐ「最後」の本番週、小屋入り期間です。
今公演『月を悉す』は、間違いなく私が経験した公演の中で一番の熱量の公演です。
演出が公演始動時に掲げた「まだ見たことのない景色を全員で見よう」のスローガンのもと、みんなで準備を進めています。
我々53期は、コロナ禍での入団でした。
始めての舞台は、カメラとマイクだけの、誰もいない客席に向かって演技をしていました。
1年後、一般来場が可能となり、初めてお客様の前で演技をして、拍手をいただくことができました。
本来あった演劇の姿を見ることができたような気がしました。
最後は満杯の小ホールで、たくさんのお客様に熱を、感動を、届ける。
みんなそれぞれの想いを胸に、今公演を走っています。
10月25日、26日、27日。全5ステージ。
皆さまの心に残る何かがありますように。ご来場を心よりお待ちしております。
この3年半、いろんなことがあって、本当に本当に濃い時間を過ごせました。
1回生の頃の私へ、迷わず月光斜に飛び込んでくれてありがとう。
ここは、私にとって大好きな、かけがえのない場所になりました。
月光斜団員としての期間は、あとほんの少し。
最後の1分、1秒まで、この時間を嚙み締めて卒団したいと思います。
沢山の思い出をありがとう。さようなら。
これからの月光斜、そして関わったすべての人に、幸多からんことを。
杏月優香