公演日誌
初めての公演
脚立マスター
初めまして。まさかの公演日誌トップバッターを仰せつかりました、照明班一回生の織部いまりと申します。授業・課題・部活・家事に追われ、現在everyday全力疾走中です。
さて、部署の先輩方の偉大さには、脱帽を通り越して平伏です。来年後輩が入団した時、私はこんな先輩になれる自信が全くございません。何か突然変異的なことでも起きない限り無理なのではないか、とすら思います……
…いや、そんなこと言ってる場合ではありませんね。素敵な先輩方の後にスッポンの如く喰らいついて精進する所存です!!
ところで、皆様は自分の背丈より高い脚立に乗った経験はおありでしょうか?照明器具を舞台上に吊る時にはこのような脚立の上に立って作業する必要があるのですが、これがなかなかの強敵。
一見簡単そうに見えるのですが、いざ登ってみるとかなりの高さがあるように感じます。しかも若干グラつく。この状態で階段の一番上の段に足を乗せ、両手を使って作業をしなければいけません。
肝の小さい私は、恐怖に負けてへっぴり腰になってしまいます。一方、さすがの先輩方、お猿さんのような身軽さで脚立を乗りこなします。
なんというスキルの差!先輩方のような脚立マスターになりたい、と思いました。
脚立を信頼し、脚立に信頼される(?)照明スタッフを目指して頑張ります!
付随する写真はもちろん巨大脚立!と行きたいところですが、あいにく持ち合わせが無かったため、代わりと言っては難ですがキャンパス近くの仁和寺の巨大表札を。
「冥界珍妙譚」、観ていただけたら嬉しいです。
フィンセント・ファン・ゴッホだよく来た!
おはようございます。音響効果班3回生。今公演ではフッさん役をさせていただきます。フィンセント・ファン・ゴッホの「フッ」ですね。
公演日誌を書くのは去年の新歓以来1年ぶりで何を書けばいいのか分かりません。とりあえず、役者に関して書きましょうか。
役者にはよく、自分の役を好きになりなさいと言われます。自分自身が舞台上ではその人間にならなければならないので、確かにその通りだと言えます。ただ、たまに役を好きになろうとするあまり役の人間性を曲解してしまうことがあります。その役の自分が好きな部分にしか目を向けないとも言えるかもしれません。でも、やっぱり人間良いところばかりじゃありません。嫌な部分も勿論あります。むしろ、その人間の深い部分に迫れば迫るほど嫌な部分の方が多いと思います。
さて、良いところと悪いところか見えてきたところで、自分がそれを演じなければならないわけです。役と役者が近づいてくるとはよく言いますが、本当にその通りです。役の嫌なところが自分自身と重なってくるところが多々出てきます。また、反対に自分と違うからこそ自分自身が全然至らない様に感じることもあります。結論、自己嫌悪になるわけです。
ここまで聞くとなんで役者なんてしてるんだと思われるかもしれないのですが、やっぱり楽しいんです。少し役に近づいてると感じた時、お客さんの反応を肌で感じた時、カーテンコールで拍手をいただいた時、アンケートで名前が挙げられた時、楽しいと感じる瞬間は様々ですが、どうしようもなくクセになってしまうんです。散々キツい思いをした後だからこそ、余計にその楽しさが何倍にも膨れ上がるんです。一種麻薬みたいなものだと思います。
入団を迷われている皆様、1度体験してみてください。絶対損はしません。人生の中で、きっと何かしら心に残り続ける体験になるはずです。
新歓ですので自部署の紹介もした方が良いんですかね。まあ、朱屋凛音が仕事内容については説明してくれてますので、一言だけ。
役者したいなら音に来なさい。
音響効果の仕事は、場面をみる力というものが身につけられます。そして何より、音はどの部署よりも役者を助けることができる部署です。演じている時唯一感じ取れるのは音だからです。舞台や照明も勿論大切ですが、役者が舞台上から見ることは出来ません。でも、音は聞けます。だからこそ、役者したいなら音に来なさい。とだけ言っておきます。
これが世間に出る頃には公演も2日目。少しでも多くの方に観て頂きたい。心からの思いです。ぜひ劇場で、もしくは生配信にてお会いしましょう。
小学生返りしている僕と疾風舞★IVとTomです。妖怪ウォッチって楽しいよね
ただひたすらに
はじめまして、照明班新2回生の竜崎秀一です。
今公演では照明チーフとして活動しています。とはいえ、ほとんど初めての経験である故に分からないことが多く、新3回生やその他の先輩を頼りながら何とかやっているという印象なんですけど。
さて、今回は新歓というこで、照明班とはどんな部署か話そうと思います。
まず照明班は普段どんなことをしているかというと、公演中にどのように役者や舞台上を照らすかを決め、本番中は決めた通りに照明を操作しています。公演を行うホールは何も照明が点いていない時は真っ暗なので、視覚面での命綱を握っていると言っても過言ではないでしょう。
皆さんは、舞台照明と聞くとどんなものを思い浮かべますか?
自分はこの劇団に入るまで全く知らなかったんですが、まず灯台(照明機材)の種類だけで見てもいくつもあります。同時に、照明の色もまた同様です。
このように灯台、色の種類が複数あるために、組み合わせ、見せ方も色々とあって、どうやったら月光斜の特徴である、エンタメ性溢れるエモい舞台が作れるか毎公演悩んでいます。
ですが、そんな試行錯誤を重ねた末に完成した舞台を見た時には、この上ない達成感を感じます。
これは照明班に限らず、他部署、さらには役者においても同じことでしょう。
皆さんもそんな経験を一緒にしてみませんか。
演劇の経験は問いません。自分も月光斜の入って初めて演劇を始めた身です。
少しでも興味があれば是非来てください!待ってます!
あしたから
す
どうも。
富士雨言っていいます。「フジサメゴン」って読みます。この名で活動するのも今公演限りなので忘れていただいても問題ありません。今回は舞台監督兼演出補助として参加させていただいてます。
まずは新歓公演らしく劇団月光斜の魅力について語らせてください。
弊団体は「生きてるエンターテイメント」を掲げているのですが、芸術や表現の世界において「生きてる」とはどういった状態を指すのか。
これは一団員個人の見解になりますが、端的に言えば「変化を恐れない」「出し惜しみしない」「常に進化し続ける」「生の熱量をお届けする」といったことが挙げられると思っています。
これが実は難しくて、あらゆるものが大量生産・大量消費される現代では、様々な業界で惰性や模倣を継いで接いだものが蔓延っています。一方で、ただ奇を衒うだけでは真に誰かの心に届くものは創造できません。
この団体で我々は、時に先入観を疑いながら、時に相反する意見をぶつけ合いながら、いつも貪欲に模索し続けています。どうすれば見る人に伝わるものができるのか。
ここまで読んだ時点で、入団をお悩みの方へ。お時間があれば、是非ともHPから「23年度新歓公演『フランダースの負け犬』公演日誌 演出・富士壺出」を探して、こちらも読んでみてください。一つの公演を先頭で全力で走り抜けた直後の感情をそのまま書き連ねています。とても簡潔で読み易い文になっていると思います。
期せずして、更にその1年前の22年度の新歓公演の演出と一部似た内容になってしまっていましたが。今年の演出もそうなるのでしょうか。
さて、日誌らしいことも書いていきますかね。最近したとある発見について書きたいと思ったのですが、演劇に触れたことが無い人には少し分かりにくい内容かもしれません。まあ、「へーよく分からんけど演劇って奥が深いんだなー」などと思っていただければ。
今回私は、昨年の新歓公演以来の、劇団月光斜での活動で二度目となる演出部での参加となっています。演出部として活動する中で、特に難しいと感じることの一つは、役者との根本的な認識の齟齬、それにより指示を意図の通り汲み取ってもらえないことがあります。
まあ淡白な言い方をしてしまうと、演劇人としての実力不足・経験不足・知識不足で片付くことなのですが。
その原因となる認識の齟齬とは。役者は与えられた役について「演じ方」を考えることが最大の仕事であり、演出はその演技に「お客さんからの見え方」という視点から指示を出す必要があります。演出から「演じ方」についての指示を出すのは最低限に、基本的には役者本人を尊重するのが理想だと思っています。
ただし、「見え方」についての意見であると役者に伝わらないければ、自身の見出した「演じ方」を曲げられることを嫌うため、貫こうとしてしまいます。
演劇とは総合芸術であり、一人ひとりの演技、一つひとつの舞台効果が良ければ良い、と言うものではなく、全体の「見え方」が何より重視されねばなりません。
「お客さんにどう見せたいか」を基準にそれぞれ「演じ方」を考え、「見え方」について意見し取り入れなければ成立はしません。
演劇に関わる上で、全員で一つの作品を作り上げお客さんに届ける、という意識を忘れず持てるようここに書き残しておきます。
「新歓らしいこと」と「日誌らしいこと」どちらを書こうか悩み、両方書こうとしてしまい随分と長くなりました。お付き合い頂いた皆様、ありがとうございます。
最後にはなりますが、この日誌が公開されるその翌日、4月18日から、いよいよ公演の本番となります。是非ともお越しいただきたく思います。
これから3日間、皆様にご覧いただくのは、18人の学生がおよそ2ヶ月もの間、ひたすらに『ポストグラフ』という一つの作品と向き合い、考えに考えて出した答えです。
この劇を通して、皆様の心に暫く忘れられない何かを残すできたなら、それに勝る喜びはなかなかありません。
立命館大学衣笠キャンパス、学生会館は小ホールにて、団員一同お待ちしております。是非ともお越しください。
それでは。
演劇沼に引き摺り込もうとする私の図